家を出るまでに余裕があったので、携帯のメール受信履歴をチェックする。 佐藤さんからのメールはなかった。 正直に言えばへこむ。 (ずうずうしかったのかもな……) 彼女の力になりたいなんておこがましいのかもしれない。 見ている時は知らなかった。 廊下や食堂で見かける彼女はいつだって、明るく笑っていて。 思い悩む姿も、泣きそうな表情も一度だって見たことがなかった。 だからこそ力になりたいと思ったのだが。 (俺じゃ役不足かな)