「僕も!」
「はい、順番ね」
俺は恵ちゃんを降ろすと、今度はひろむくんを肩に乗せた。ずっしりと伸し掛かる予想外の重さに少し驚く。
ひろむくんは最初におんぶした頃よりずっと成長して重くなっていた。
(佐藤さんがぼやくわけだ)
おんぶや抱っこを強請られてももう身体が持たないと言っていたのは、つい最近のことだった。
歳をとると月日が経つのはあっという間だが、子供の成長も同じように早いのだ。
代わる代わる二人を抱き上げていると、陽くんが一向に加わってこないことを不思議に思った。
「陽くんは?」
「俺は良いよ。サッカーなんて興味ないし」
「まあ、そう言わずに」
ひとり冷めたように芝生に座っていた陽くんを無理やりひっ捕まえて、他のふたりと同じように肩に乗せる。



