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「待っていたよ」
第二会議室に入ると先日と同じように、上層部と監査部のお歴々が肩を並べて座っていた。
「座りなさい」
入室と同時に椅子をすすめられる流れも同じだった。
俺は椅子に座ると、真っ直ぐ前を見据えた。
決して、人に許しを請うようなことはしていない。
佐藤さんは俺のことを信じてくれた。だから、俺も胸を張ってこの場を迎えられる。
「自分の処遇はどうなりましたか?」
真正面に座っていた社長は俺の眼差しを黙って受け入れると静かに言った。
「結論から言おう。今回は君の処分を見送ることになった」
続けて、監査部長は処分に至らなかった理由をとうとうと説明した。



