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「姉さん!鍋!吹きこぼれてる!」
「え?やだ!」
早苗に指摘されて急いでコンロの火を弱める。
先ほどまで風味豊かな味噌汁だったのに、すでに別の液体へと変貌してしまった。
(やっちゃった……)
「どうしたの?今日はいつにもましてボーっとしているのね」
「ごめんね、早苗」
「あとはやっておくから座っていて」
早苗の言葉に甘えて、エプロンを外して椅子に腰かける。
ふとした拍子に考えるのは鈴木くんのことばかりだった。
(自宅待機っていつまでなのかしら……)
佐伯くんの話だと調査が終わるまでということだったが、監査部の仕事がどれくらいの速度で行われるかなど想像もできない。
それまで鈴木くんは自宅でひたすら待つしかない。