愛を欲しがる優しい獣


「大丈夫、何もしないから」

「う…ん…」

俺の言葉を信用しても良いのか迷った挙句、誘惑に負けたのか備え付けのルームウェアを持って風呂場に歩いていく。

フロントに電話して、もう一つドライヤーを貸してもらえるように頼むと、俺もルームウェアに着替えた。

佐藤さんがシャワーを浴びている間にハンガーに濡れた衣類を掛けて、ドライヤーを当てる。

さっさと乾かしてこの場から立ち去らなければ、あらぬ間違いを犯してしまいそうだった。

キングサイズのベッドは否が応でも視界に映る。