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「ごめんね、散らかっていて」
鈴木くんに案内したリビングは大賑わいだった。買い物に出かけている間に家族全員帰宅したようだ。
「紹介するね。長男の樹、大学生」
ソファの上で寝転がっていた樹が急に起き上がる。
「うわ、男かよ?」
私は無言で樹の頭をはたいた。
「お客様でしょ?挨拶は?」
「どーも」
樹ははたかれた頭をさすりながら小さく頭を下げた。私は樹の様子には目もくれず家族を次々と紹介していった。
「次女の早苗、高校2年生」
「次男の櫂、中学2年生」
「双子の陽と恵、小学1年生。男の子が陽で、女の子が恵ね」
「最後に末っ子のひろむ」
鈴木くんの背中で眠っていたひろむが名前を呼ばれたせいで起きたのか目をこすった。