「そんなっ…約束できませんっ…‼︎」
そのまま、私は要さんの手を振り切って
玄関を出た
要さんは追って来なかった
肩で息をするように、私は息を切らせていた
「…詩織様」
「あ、…中川さん、ごめんなさい
早く出ましょうか」
「はい…
申し訳ありませんでした」
「中川さんが謝ることじゃないです
謝らないでください」
私は車に乗り込む
座った途端に身体が鉛のように重くなった
「ここから、かなりかかりますが、よろしいですか?」
「はい」
車が動き出す
その景色が今日はとても滲んで見えた
「詩織様がこれから住んでいただく所は
使用人が2人いますが、まだ未熟者なので失礼があると思いますが
よろしくお願いします」
