「ずっと嫌いだったんだよね」 そう私に向かって笑うのは私の親友。 でもそれもさっきまでの話。 ううん、もしかしたらそう思っていたのは、ずっと私の方だけだったのかも。 「睡蓮(すいれん)さぁ、愛理が橘のこと好きなの知ってたよね?」 私の名前をいままでの中で一番醜そうに呼ぶ彼女も私と仲が良かったひとり。 「なのに取るなんて最低だよ。」 「親友だったくせに…愛理かわいそう」 次々と私に向けられる避難の声。 …なんで。 皆、さっきまであんなに楽しく笑いあってたじゃん。 ぜんぶ嘘だったの?