「明日香、今日飲み会なんだけど、行くわよね?」

「飲み会?」

「そう。高校の同級で集まるから明日香の知り合いはいないかもだけど。」

「それなら、なんで誘うのよ。」

「え?だって明日香、出逢いがないって言ってたじゃない」

お姉ちゃんは、可愛いらしいその薄い唇をキュッと上げる。

あたし、林明日香18歳。

周りの友達からは『林ちゃん』って呼ばれてる。

6歳上のお姉ちゃんは、生まれ持った美貌を武器に男たちを虜にする。

あっ、でもだからと言って決してプレイガールって訳ではないよ。

ちゃんとした恋愛してるんだけど……。

ちゃんとした恋愛だからこそ、こんなお姉ちゃんでも失恋はするワケで…。

まぁ、男たちからすれば好都合な話みたいだけどね笑

あたしはと言えば……。

お姉ちゃんとは真逆の人生かなぁ。

可愛くないしモテる要素なのも何一つない。

これだから、好きな人は出来たことない。

あーぁ。

あたしもお姉ちゃんみたいに可愛ければな。

「うーん、あたしはいいよ。」

「どうして?あんたもそろそろ出逢いに興味持ちなさいよ?」

「出逢いって……だってまずさ、飲み会ってことは未成年と同然のあたしがいく場所じゃないでしょ?」

18になったからと言ってあたしは、お酒はまだ飲めないし、これから飲むつもりもない。

「大丈夫よ。飲み会って言っても明日香が想像してるのとは、多分違うから」

多分て……。

信用ならんなぁ~。

「出逢いなんか……。」

18にしてそうゆうの諦めてるあたしに、出逢いなんか勧めたって時間と労力の無駄だよ?




でも、このあとの飲み会であたしの運命が変わるなんて、夢にも思わなかった。