「美月、どうしたの?食べないの?」 彼女、あたしと同じ血をひいていて、あたしと同じ“美”を名前に持つ姉の存在だ。 相沢美陽(みはる)。 彼女はわが姉ながら完璧な人間だと思う。 美しく、心優しく、女らしく。 かといって嫌味のない彼女は、ずっと女子の憧れの存在であり、男子の注目の的であった。 あたしも姉に憧れていた。 生まれてからずっと。