「自分の口から吐き出されたものの正体に気づいて、わたしはゾッとした。それは、部屋の四隅に貼ったはずのお札だったのだ。激しく咳き込むわたしの耳元で、鈴を転がしたような、女の子の可愛い声が聞こえた。
「そんなの、効かないよ」」

そこまで書いたところで、わたしはキー

ボードを叩いていた手を止めて、大きく

伸びをした。

時刻はちょうど午前零時。

このペースでいけば、明日の昼過ぎには

、なんとか仕上がりそうだ。

わたしは椅子を回して立ち上がると、窓

を開けた。秋の冷たい夜風が気持ちいい

わたしが住んでいるアパートの裏手には

、ジャングルジムとブランコと砂場があ

るだけの小さな児童公園がある