「サッキー‼︎やめて‼︎」 亜琉愛はサッキーの手を無理やりあたしから剥がした。 「…けほっ…はぁ…はぁ…」 苦しかった。とにかく苦しかった。あたしは自分の右手を左手でそっと掴んだ。震えていた。 「二度と結城先輩に近づかないで‼︎絶対だから‼︎」 そう言ってサッキーは帰った。いつの間にか下校の時刻。 「涙っ、大丈夫⁇」 亜琉愛が心配そうにあたしを見る。あたしは震える手を後ろに隠して、大丈夫とだけ呟いた。