不器用男子の告白の仕方。






「何度も言うけど、ブー子じゃなくて楓子だから!」



「聞こえねー」



「耳鼻科行け」




こんなくだらないやり取りもいつも通り。



こんな風に、お前と子供みたいなケンカしてる時間が好きだよ。




でも…



もし長澤が、自分のこと“好き”なのは俺だって



気付いたら。





…もうこういうのも、出来なくなんのかな…





「五十嵐、何で今日、練習見に来いなんて言ったの?」




突然、ふと思い立ったように


長澤が聞いてきた。




「あー…」



それは…



「…俺には、バスケしか、ねーからな」




…やばい、なんかめっちゃ恥ずい。




「は?」



長澤はまるで意味分かってないみたいで、キョトンとしてるし!





「だから…一番自信のあるとこ、おまえに見せようと思って…」




って、なんかコレ


告ってるみたいじゃね!?





「五十嵐、こっち見れば?」




人が恥ずいの押し殺して必死に喋ってるっつーのに、そんなこと言う長澤は鬼だ。




「…やだよ」



「なんで?」



「…おまえ、うぜー」



「っぶ!」





人の気持ちも知らず



無邪気な声の長澤にムカついて、顔をあげるのと同時に持っていたタオルを投げつけた。





「ちょっと、なに!?」



「…俺ばっかりでムカつく」



「はぁ?」



「…なぁ、いい加減気づけよ」




タオルを持つ、長澤の腕をつかむ。




「答えは、すぐそばにあるだろ?」





もう戻れなくてもいい。



前みたいに、くだらない言い争いが出来なくなってもいい。





だから気付けよ。





もう止まることなんて出来ねーんだよ。