「………ふーん」
納得しているような、していないような、照れているような、複雑な表情であたしの頬に触れたままでいる五十嵐。
そして
ギュッ
「痛っ!」
思い切りつままれた。
「何すんの!?」
「んー?しかえし」
「しかえし!?」
「今まで、俺が待った分」
「は!?」
「ははっすげーアホ面」
両手で、あたしの頬を左右から引っ張る五十嵐…
「バカ五十嵐…!!!」
「…バカはお前だろ?」
つまむ手を緩めた五十嵐が、
不意に顔を近づけてきて
…何かが唇に、ぶつかった。
「…これは、まぁ…
よくできました、ってこと」