「ま…まぁね。五十嵐よりは頭いいし!」
「うっせー!」
不機嫌そうにそう言って、五十嵐があたしの手からボールを奪い取る。
そして
パシュッ…
いとも簡単に、レイアップシュートを決めてみせた。
「…五十嵐こそ、テスト勉強しなくて平気なの?」
「…さぁな。だって俺、それどころじゃねーもん。今」
リバウンドしたボールを取って、五十嵐がまっすぐにあたしを見つめる。
「なぁ。見つかったわけ?答えは」
「……あのさ。
五十嵐は誰に投票したの?」
「…は?」
変な声を出す五十嵐。
「…なんでそんなこと」
そして少し不機嫌そうにあたしを睨む。
「だって気になるから。
五十嵐が答えたら、あたしも質問に答えるよ」
「おっまえ…なんなの?鈍感と思ったら、実は小悪魔なわけ?」
五十嵐は、はぁ、と盛大なため息をつきながら
「………ブー子、って言ったら。どうする?」
…また質問かい。



