もう一度、最初から

「…ざけんなよ、この野郎ーーーーっ!!!」

今度はしっかり聞こえた。


は、と気がついて起き上がろうとしたけど、身体が言うことを聞かない。

恐る恐る、首を音のなる方へ向けてみる。


…エノキ?


エノキが、あの男に馬乗りになって、滅茶苦茶に殴っている。

なんか、こんな状況で言うのもなんだけど、殴り慣れていないというか、殴り方がカッコ悪い。

子どもが駄々をこねているときのような。


あ、でも、あたし、助かったんだね…


安堵したら、ふぅーっと力が抜けて、あたしはそのまま意識を失った。