はぁ…。
私は外を見ながらボーッとしていた。

「…みりっ!え…り!絵美里!」

ふいに、前から梨花に呼ばれた。
「えっ?何?」

「自己紹介っ!絵美里の番だよっ!」

あ、ヤバイ。何も考えてなかった。
みんな見てるし……。

私は、とりあえず立ち
「えっと……藤咲絵美里です。好きなこと?好きなことは……うーん。あ、バスケですっ!」

はぁ……何とかできたっ!
よかったー…。
一人で落ち着いてると、隣から声が聞こえてきた。
「お前もバスケ好きなんだ?」
わゎっ!樹君に話しかけられちゃった!
やっぱりキレイだなぁ…。
「おい。何見つめてんだよ?」
……え?
「なっ……!見つめてなんてないしっ!」
顔が熱くなってくる…。

私…どうしちゃったんだろう……?
今まで男の子と話しててもそんなことなかったのに……。

「……おい。お前…何百面相してんだよ?」
と言って、樹君はクスクスと笑った。
「あ、いやっ…あの、えっと、樹君の顔が…あまりにもキレイ…だった、から。」
ますます熱くなる私の顔。
か、噛んでしまった……。
あれ?樹君の顔が赤くなってる……?

「樹君?どうしたの?顔赤いよ?」
私は、そう言って隠している彼の顔をのぞきこんだ。
「な、何でもねぇよ。」
そう言って、彼は顔を背けた。