何か、女の人なのに男っぽい先生だな。
でも……美人。

私の前の席の子が私の方を向いて言ってきた。
「ねぇねぇっ!先輩から聞いたんだけど、あの須田って先生めっちゃいい先生なんだってー!」


「へぇー……。いい先生にあたるなんてラッキーだね!」

「んねーっ!あ、私の名前は斉藤 梨花(さいとう りか)。よろしくねっ」

「梨花ちゃんっていうんだー。私は、藤咲 絵美里。こちらこそよろしくね」

「絵美里って呼んでもいい?」

「うんっ!いいよー。」

「あ、私のことも梨花でいいからね」

「わかった♪」
梨花とそんな会話をしてると、あの桜の木の男の子が自己紹介する番になった。
「……西村 樹(にしむら いつき)。好きなことは、バスケ。」

樹君っていうんだー……。
やっぱりキレイな顔だなぁ。
女子なんてもう目を奪われちゃってるし……。
やっぱりモテるんだろうなぁ……。

そんな事を思っていると、また梨花が後ろを向いて私に言ってきた。
「ねぇっ!あの樹君めっちゃかっこよくないっ?!あれは絶対モテるね。絵美里もそう思わない?!」

「……そうだねー。」
梨花の言ったことはあまりに耳に入ってこなかったので、適当に相槌を打っといた。
なぜかって?
それは……樹君に目を奪われてたから…。