一体何だったんだ？と思いながらも、一人読書をし始めた。

すると、廊下から女の子たちのキャーｯいう甲高い声が聞こえてきた。

……どうしたんだろう？

そう思って、廊下の方を見た。

すると、あの桜の木の男の子が女の子達に囲まれながら教室に入ってきた。

「あの子……。」

あの甲高い声の元はこれだったのか……。

ふと男の子と目があった。
無意識のうちに目を反らしてしまう……。

男の子は、自分の席を確認しに黒板へ向かった。
と思ったら、私の隣の席に座った。

……え？え？
隣から何かすんごい視線感じるしっ！
気のせい……？
じゃないっ！
見られてるっ！めっちゃ見られてる！
どうするべき……？
よしっ！本読もう！

私は、とりあえずそのまま本を読む事にした。

ガラガラガラｯ
「お前ら席につけーっ！」

担任らしき先生が入ってきた。

「私は、ここのクラスの担任の須田 絵理子(すだ えりこ)だ。よろしく。それじゃあ、出席番号順に自己紹介していくぞ。名前と好きなものを何か言っていけ。」