彼の口角は上がっていて、微笑んでいるようだ。
ハッ!
見とれている場合じゃないっ!
急がなきゃ!!
私はまた走り出した。
「ふぅん。面白そうな子。」
まさか、彼がこんなことを言っていたなんて知らずに。
学校についた……。
私は、息を落ち着かせてから
ゆっくりと校門をくぐった。
ザァァア……
また風がふいた。
校門の横にあった桜の木がピンクの花びらを散らす。
さっきの男の子…どこの学校なんだろう……?
ふとそんなことを思っていた。
私のクラスは、1年C組。
3階にある。
クラスのことは、入学式の時にすべて説明された。
1年生の下駄箱へと歩いていく。
ガヤガヤしていた回りの人たちは静かになり、みんな何故か私の方を見ている。

