「絵美里(えみり)っ!いい加減起きなさいっ!めーいっ!聞いてるの?!」

あぁ…もぅ。うるさいなぁー。

バンッ!

「絵美里っ!あんたいつまで寝てんの?!」
お母さんがそう言いながら私の部屋へ入ってきて、私の掛け布団をはがした。

「ねーむーいーー。」
そう言ってまた布団を掛けようとする私…。

「絵美里っ!今何時だと思ってるの?!」

「何時ぃ?」

「8時。」
ガバッ。
私は飛び起きて、お母さんに言った。
「は、8時ぃぃい?!なんでもっと早く起こしてくれないのよっ!」

「起こしてたわよ。7時頃から。」
はぁ……。
「今から着替えます……。」

短い春休みが終わり、今日から晴れて高校生になる。
私、藤咲 絵美里(ふじさき えみり)16歳の高校初日のスタートがこれだなんて……。
はぁ……。

……って、ヤバッ!
急がなきゃ!!

私は、急いで玄関へ向かいながらお母さんに言った。
「お母さーんっ!私もぅ行くからーっ!」

「行ってらっしゃい。遅刻しないようにね?」
と、お母さんがリビングから出てきて言ってくれた。
「うんっ!行ってきます!!」