急いでクラスに向かう。
教室の場所などは、入学式の時に説明されていたので迷うことなくついた。

どうやら、黒板に貼ってある紙に席順が書いてあるらしい。
そこで自分の席を確認し、席へと向かった。
隣の席のヤツを見て驚いた。

嘘だろ……?
何でこいつが……?
しかも、席隣りだし。

目が合った。
でも、すぐに反らされてしまった。
少しショックをうける俺。
女々しい自分が嫌になる。

担任が入ってきた。
名前は須田 絵理子。
なんとも男らしい女だ。

自己紹介をすることになった。

俺の番は意外と早くまわってきた。

「……西村 樹。好きなことは、バスケ。」

そう。俺はバスケが好きだ。
中学の時に興味本意で入ったバスケ部だったが、気づくとハマっていた。
もちろん高校でもバスケ部に入ろうと思ってる。

あ……。
あの朝の女の子……隣の席のやつの番だ。
こいつ、自分の番だって気づいてねぇし。
前の席のやつが呼んでも気づかない。
……おもしれぇ。
俺は、バレないように笑った。

あの前の席のやつ……斉藤っていったか?
全然気づかれてないな。
あの女の子……ずっとボーッとしてる。
そんな顔も可愛いが……。

やっと気づいた様子の女の子。