コンビニに
着いた所で彼女が笑った。



それも
大声で。



学校の"ぶりっ子"笑顔とは
違う。




なんか
ちゃんとした…。






「…えっと
ゴメンね。」


笑いが止んだ。

彼女は
黒い傘を渡してきた。



一番大きい傘な
ようだ。


彼女の傘は
レモン色の少し小さめの傘だった。





「…ゴメンね。
なんか、ちょっと思い出し笑い(笑)」







彼女は笑う。







「…思い出し?」






わざと聞き返した。


知っててわざと。







「…知りたいですか?」







彼女は笑ったが
学校の彼女だった。

学校の彼女が
人形のように笑った。







「…前にもこんなことが
あったんですよね?」







驚いた顔をされた。







「…そうなんです。

…誰にも言わないでくれますか?」






彼女は
笑った。







「…昔の話です。」







彼女は
ゆっくり話しだしたけど

俺は
驚きを隠せないでいた。




彼女が
覚えていたこと、

俺の声が
こんな声だったこと…に。