「…母さん。

俺、塾、
行きたいんだけど…。」





ご飯を挟んで母と話す。


母の手が止まる。


そして箸をおいて
俺を見つめた。




「…成績、落ちたの?」




「いいや、

そんなには…」





「…1番じゃなくなったとか?」





「いや、違う。

でも、下がったから…」





「…そんなに?」





「いや、

…無理ならいい。」




ごちそうさま。
そう言って食器を重ねた。


ついでに母の食べ終えた食器も
持っていく。





じゃあ先風呂はいる。
と一言言ったところで母の手が動いた。








 「いいわよ」










俺は
ただ一言 ありがとう と言った。