グラウンドは
暑い。


喉まで
焼けるようだ。


走っていると
風が来てくれて涼しい。


止まると
暑いから止まりたくない。



このままずっと
涼しいままでいたい。

…そんなこと
無理だけど…。





「…おい、そうた…」







暑い…

    …涼しい


 暑い…

         涼しい…


寒い…

冷たい…。








「おいっ、宗太っ!!」

「…先輩。」



あぁ、
暑い。


風がない。


日だけがいる。


いや、
先輩もそこにいる。




「…先輩、なんでしょうか?

あっ、
先程は失礼しました。」


俺は
頭を下げた。

汗が落ちた。

土が滲む。



やっぱり
暑い。





「…宗太」

「神たん!コッチ来てよ!」

「…先輩、すみません。」



俺は走った。