覚えていない…。


そう思うと
なぜか悲しくなる。


それはきっと
あの頃のせいだ。




淡く、何も見えてない
霧がかかったような…

蜃気楼のような…

そんなあるかないか
わからないようなそんな物。



あの頃の俺は
その中に確かにいた。







「おい、宗太。

何遅れているんだ。
早く着替えろっ。」



先輩に声をかけられた。