「君たちにいい知らせがある。
このプリントを見てくれ。」
ロングホームルーム。
担任である、
女教師が話していた。
外は
晴れてはいない。
重たい雲がいる
わけでもない。
隣の隣の隣の県くらいに
台風が来ていると言っていた。
もちろん
テレビの話。
前みたいに
それる可能性も大いにある。
大変な被害に合うにも関わらず、
子どもたちは台風が来ることを
まるで
友達が家に来るかのように
ワクワクしているのは事実だ。
そこに
何かが迫っている。
自分がそう思っているから
そう見えるのか、
実際にそうなのか
よくわからない。
俺は何かを
知りすぎて知らない。
毎日、
感じている。
毎日、
不思議に思っている。
だから、
ちゃんと覚えている。
あの頃も
この頃も
今日この頃も


