待ち合わせの駅に着いた。


もう
凛も車イスもいない。




あるのは
俺だけ。

あとは
駅を使う人々。




俺を通り過ぎる女子は
必ず一度振り返る。

そして頬を赤らめ
走って行ってしまう。



前までは
不思議に思っていた。


最近、
凛と話すことが増えて
色々聞いて色々わかった。




なので、
あまり顔が他から見えないようにした。





…すると、
奥の方から何度も振り返っている男たちを
見た。


どうやら
一人二人ではないらしく、
何人もの人がそこに振り返っているらしい。





段々
それが近づいてきた。






俺は顔を地面に向けた。





「…宗太くん?」






下から顔を覗き込む
彼女がいた。