「宗太、もう時間だぞ」




凛が鞄やら上着を
持っている。


全部俺の荷物。




「?」




俺は傘を
凛に向けた。


綺麗な色の傘。




「これは、鞄の中に入れておくよ」





俺は
笑ってうなずいた。





そんな俺の顔を見て、
凛の目から涙がこぼれた。





それは一粒一粒が大きくて
そして全く止まる気配はない。




ボロボロボロボロ
流れていく。




俺は車イスを進めた。