「…おはよ、宗太くん」



ガラガラと音を立てて
病室に入ってきた。


ゆかの顔は
いつも以上に笑顔で…
悲しかった。



ぶりっ子のあの笑顔。

彼女が自分を守るために作った
彼女だ。




『どうした?』





伝えようとして、止めた。


俺は精一杯笑った。




ずっと笑えなかった俺だけど…、


最近は
ちゃんと笑えてるし…




それに、








ゆかのためなら
笑えるから…。