「私も夕夏たちと同じ。
うんん、
沙織と同じなの。」
ユルカは泣き崩れる彼女を
なんとか私の隣に座らせた。
私は
まだ動けていなかった。
公園に人は
いなくなっていた。
「同じ…?」
「そう、
どーしよーもない親を持った子供(笑)」
笑っているけど
笑えていない。
笑い事だけど
笑い事ではないんだ。
「私は父親が駄目でさぁ、
小さい頃に私を置いて
母は逃げたんだよね。
元々酒癖悪かったのが
父さんまた余計悪くなって…」
ユルカが
前髪をあげた。
何か傷がある。
それを見ればわかる。
お父さんは
暴力を振るうようになったのだと。
それはまるで
隣にいる彼女、沙織と同じだった。


