「…あの、
隣のクラスの図書委員の人ですよね?」



後ろから声がした。

ちゃんと
声がした方に振り向いたはずが誰もいない。


あれ?
っと視線を戻したら下にいた。




小さな背中の彼女がいた。

ついでにいうと
結んでいる髪も可愛らしいほど小さかった。





「…あの、
学校の近くにコンビニって知ってますか?」



自分がでかすぎるのか
彼女が小さすぎるのか、

とにかく
首が取れるくらいに見上げていた。



彼女のポニーテールも
ぴょこぴょことしていた。





必死に
見上げている姿が

なんか嬉しくて
でも直接見れなくて…。





「…傘、
ないんですか?」



コクりと髪の束が動いた。


「だから、
コンビニで買おうと思って…。

私、この辺のことあまり
知らないんで…。」



彼女は
顔を落とした。


頭を上げすぎて血がのぼったのだろうか、
真っ赤になっていた。



「…あぁ、俺と一緒かぁ…」

「えっ?なんですか?」

「あっいえっ、
俺も同じこと考えてたんで…」



また上がってきた目と
俺の目は合わなかった。






『あのっ!!』



同時に口にした。

どうぞと言われたので
遠慮なく言う。







「一緒に、

走りませんか?」