「おかえり、宗太」 家に帰ると 母がいた。 母はホワイトボードを 俺に出した。 それを一応受けとる。 「…母さん」 歩き出した母の動きが止まり 俺を見た。 手にしたペンに 力を込めた。 書いたことを 母に見えるように持ち変える。 「ありがとう」 母はリビングを出た。 多分 泣いているのだろうか。