私は仕方なく
ハンカチを受け取った。
宗太くんは
机に向き直ってノートに何やら書き出した。
涙を拭きながら
そのノートを覗く。
『良く泣くね』
最後に(笑)ってあるのが
腹立った。
ベシッと
さっきまでさすっていた背を叩く。
『笑っているより、
そっちの方がいい』
真顔で
私をみた。
「あれ?ゆかたんじゃん♥」
すぐに涙をぬぐって
窓の外にいる男子の元に行った。
「ヤッホー、
どうしたのぉ?」
ぶりっ子に戻るわたし。
「ゆかたんこそ、なに?彼氏?」
外からは
宗太くんの顔は見えないようだ。
「うんん、違うよ…」
誰かの腕で
視界が真っ暗になった。
開けていた窓を
閉める。
カーテンも閉める。
私は腕を引っ張った。
引っ張ってもびくともしないので
叩く。
パッと
視界が明るくなった。


