『なんで、泣くの?』 「…ごめん」 『いや、そうじゃなくて』 「ゴメンね、目にゴミが入っただけだから」 宗太くんが鞄に手を突っ込んだ。 中からハンカチを出して 私に渡した。 ブンブンと 首を振る。 私は背を向ける。 肩を掴まれ 顔が向かい合うようにされる。 ゴシッて 目元を擦られた。