「…うんん、なんでもない。
それより
今日は陸上部って言ったじゃん!!」
「えっ!?あっ、そうだった。
じゃあ行こう」
少しギクシャクした会話。
後ろ髪引かれるかんじ。
私より背の高い
彼女の後ろを歩く。
「ゆかっ、コッチだよ」
手を引っ張られ、
私は眩しい校庭を目にした。
「あれ?いない。」
ユルカが眉をしかめた。
「誰がいないの?」
すると
私たちの方へ誰かがやってきた。
…凛くんだ。
「凛くん、陸上部だったの?」
「そーだよん(ゝω・´★)」
「宗太は?」
ユルカの問いに
凛くんの笑顔が少しだけ曇った。
「あいつは、辞めたよ!」
どこからか
上級生らしき人が答えてくれた。
「勉強、したいんだって」
アノヤローとか言って
走り去ってしまった。
凛くんがあとから教えてくれた。
あの先輩は
宗太くんのことを
とても可愛がっていたらしい。
だからこそ、
あんなこと言ってしまうのだと。