「…ごめんね」
「いや、ゆかちゃんはすごいよ!?」
凛が慰めているが
本当にすごいのは確かだ。
むしろ、
これは天才の域に入る。
計算を全て頭の中で
終わらせているのだろう。
『凛、席代われ』
俺はユルカって子の前に座り直した。
んで、
思い出す。
『苗字、なんていうの?』
「えっ?ユルカでいいよ」
…いや、
そうじゃなくて…。
「ゆかのことも
渡邊さんじゃ長いしゆかでいいよね?」
「えぇっ!!??あっうん、いいけど…」
「じゃあ宗太はそうちゃんで!!」
凛の言葉に拳を
降り下ろした。
「ジョークだよ、ジョークっ!!
宗太でいいよね?」
「おい、宗太っ!!」
とユルカ。
「…そっ宗太くん」
とゆか。
「そうちゃんっ❤」
と凛。
痛む喉を押し殺して、
「凛、ユルカ…、
…ゆか。」
俺は
喉の下の方を押さえた。
痛かった。


