―ピンポーン
…誰も出ない。
―ピンポーン
…。
―ピンポーン、ピンポーン、ピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーンピンポーン ……
「神影くん?」
「!?」
チャラ男の家から
渡邊さんが出てきた。
彼女は今日、
髪を下ろしていた。
服も祭りのときとは違って
とてもシンプルな感じだ。
可愛いと言うより
キレイの方があいそうなぁ…、
…何考えてんだ?
あれもこれも
全部チャラ男のせいだ。
あいつが変に意識するようなこと言うから…
「上がらないの?」
玄関から
完全に出てきて俺を見下ろした。
段差があるから
俺よりも目線が高かった。
少し
ドキッとした。
いつもと
違う目の高さに少し戸惑いがあった。


