「どーゆーこと?」
渡邊さんは
険しい顔をしていた。
宗太も同じ。
笑っているのは
俺と隣の彼女くらいだ。
「いきなりお祭りよりも
先に放課後デー」
放課後デートと
言おうとしたら口を塞がれた。
首元を
強く引かれた。
コソコソと
耳打ちする。
「デートって
言ったらダメてしょ!?」
「ごめん、ごめん。
つい口が…」
渡邊さんが
心配して俺たち二人に声をかけた。
慌てて
離れる。
「よしっ、とりあえず行こー」
宗太たちは
どこへ? みたいな顔をする。
とりあえず、
とりあえず …
どこでしたっけ、キャプテン。
ユルカが
手を素早く動かす。
ちょっとしたジェスチャーだ。