私は、
あの日から数日して

チャラ男と呼ばれる男子に
捕まった。








「こんにちは、渡邉さん。」







私は少し笑顔が
ひきつっていた。


理由はよくわかる。



この前、
中学の卒業アルバムを見たら…

チャラ男くんの顔があった。




よくよく考えたら
中学生の時から神影くんと一緒にいた人だった。





だから
私がぶりっ子ではなかったことを知っているのだ。



ヤバイ。

私の演技が
学校のみんなにバレてしまう。





「あの、なんですか?」


私は恐る恐る
尋ねた。


神影くんといつも一緒にいるだけあって、
背がとても高い。

…関係ないか。



「安心して、バラしはしない。」





ウインクしてきた。


なんか、
同じ匂いがした。


コイツも
ある意味ぶりっ子だ。


でも、
多分7割はほんとにコイツ。


私みたいな
偽物とは少しちがう。





「…あのさぁ、
なんでぶりっ子になったの?」



いきなり、
真面目な顔になった。


「あっいやなら、
話さなくていいよ~」



いきなり、
明るくなった。




「…お母さんが言ったの。」