…。
「…あっ」
今にも消えていきそうな声を
出した。
顔が
赤かった。
俺は多分
無表情。
「今の、声に…」
「…出てたよ。」
彼女は
泣くのではないかと思うほど赤かった。
つられはしないけど…。
「ちっ違うの!!
…ピアノ
ピアノの音色が、好きだなぁって…」
言い訳と言うのか
誤魔化しと言うのか、
彼女のデタラメが
通じるようなものではなかった。
思ったより
大きくて、
思ったより
真っ直ぐ過ぎたその言葉。
…なにも言えなかった。
真っ直ぐ
突き刺さる。
もやもやが
スッとなくなるように…。
…この、
喉の何かさえも吹き飛ばすような…。