少し走ってすぐ止まる。



ゆっくり振り向いた。




彼がまだこっちを見てくれているかな

まだそこにいるかな




そんな期待を胸にして
ゆっくり振り向いた。





彼の姿は
もうなかった。







もしまだそこにいて

まだこっちを見ていたら


きっと恥ずかしくて
また走ってしまう。

きっと苦しくて
体が熱くなる。




大きな歩幅には
私は追い付けないんだろう。


もういない彼がいた場所を
あつく見ていた。