「どうしたんだよ」


俺は大分走ったのに
チャラ男は息も切らさずすぐ側にいた。



「…俺は、別に…」



青い顔を隠すように
背を向けた。




「とりあえず、
落ち着けよ。

走り過ぎて髪、
ヤバイぞ!?」


茶色がかった髪を俺に
見せるように引っ張った。

…はぁ、髪?



近くにあった
窓で自分を確かめた。



いつもテキトーな寝癖だらけの黒髪が
あちこち跳ねていた。

…誰だよ、これ

そう思わせるような…






「ぅおおぉぉぉ!!!!!!」







俺は数学の問題を解き終えたように
スッキリしていた。


表情にはきっと出ていないが
オーラ(?)はキラキラしているだろう。






「…宗太、次はどうした?」


「…なぁ、
髪っていつもどうしてんの?」


「…宗太?」



俺は
教室に戻ることにした。


あぁ思い出した。





…笑い方。






口角だけが
微笑んだ。