「おい、宗太。

表彰されるんだって?」



またチャラ男だ。

そろそろ
ノイローゼになりそう。



「いーねぇ、
全校生徒前で名前呼ばれるんだぞ!?

いやー、
羨ましいね~。」



俺は
いきなり立ち上がった。


椅子が引きずられ、
音を立てる。

脚にその振動が伝わった。



教室にいた周りのやつらが
振り向いた。




驚いたのか
チャラ男が手にしていたスマホを落とした。


「神たん、どうしたのー?」

女子の声に
ただ顔を青くするだけだった。



…あぁ
どうしよう。





「おい、宗太?」


チャラ男の声に答える。


「…名前が知られてしまう…」





全身から
血の気が引いた。