「…待って!」






後ろから私の腕が掴まれ、城ヶ崎くん?と思った矢先、体は引っ張られた。






「うぎゃっ!」







可愛げのない、色気のない、無様な声が私の口から発せられた。






「待って、待って。ごめん」

「や、やだっ!!」





ごめん、なんて聞きたくない。


もう言わないで。


耳から離れなくなる。




慌てて立ち上がろうととすれば、またもや引っ張られた。





「待ってってば…っ」

「だ、だから…ひゃっ」





あろうことか、私の首とお腹に腕が回ってきた。


こ、これは…。


後ろから抱きつかれてる。





「まだなにも言ってない」

「…うぁぅっ」





ごめん、って言ったもん。


いつもならそんなことを言う。



しかし。



い、息っ。



耳に息っ!





私の首にその整った顔がスリスリと寄ってきた。