すきなひと。




悠平から、アドレスを教えて貰ってから3日後のこと。


土曜日に修学旅行実行委員会があったから学校に行くと、たまたま実習生の人達が来てた。
あたしとヒロは、その日の内に実習生と仲良くなって。
ちゃっかり、ヒロは実習生にアドレス聞いてた。


「こあー!!職員室いこぉ!」


「はいはい(笑)」


今日もヒロと一緒に放課後喋りにいく。
実習生がいる教室に向かう途中、ヒロに質問された。


「ね、こあは悠平からメールきた?」


「来たよ?」


「え?!マジ?!!!何で〜??あたし来てないんだけどー!!!!」


「・・・はい?!」


悠平からメールがこないってのを聞き、ビックリする。
あたしは3日間ずっとメールしてたから。

ぶっちゃけ複雑な気持ちもあったけど、嬉しいことだった。
だって『特別』って感じがして・・・
本当は、悠平のこと「先生やから」って思って気持ちを消そうとしてた。
でも、やっぱり諦めたくないって思ったんだ。


「忘れてるだけなんやない??メールで言っといたげるよ」


「頼んだ!!」



そんな会話をしながら、教室のドアをちょこっと開ける。



「あ、心愛ちゃんとヒロちゃんいらっしゃーい」


そう言って出迎えてくれたのは、数学担当の安藤直樹先生。


「今日は遅かったね」


今度は英語担当の坂本俊先生。


「まぁ、色々あって(笑)けど、あたしこれからやることあんねんか〜」


「え?吉純さん何かあるの??」


「ダンス!!」


「おっ心愛ちゃんダンスやってんの??」


「まぁ・・・前はやっててんけど、また成り行きで(笑)じゃあ行ってくるね」


「こあ、頑張ってね!!」


「ん。帰るとき言って。あたしも一緒に帰るから」


「はーい」


あたしは手をふり、その場をあとにした。