BRAT ANGEL

すると

♪キーンコーンカーンコーン

チャイムが鳴った、と同時に先生も教室に入って来たから、さっきまでざわついてた教室内が、だんだん静かになり、みんな自分の席に座る。

はぁ。朝会かぁー。だりぃなぁ~

俺の席は窓際の前から2番目と、あんまり先生から目立つ席ではないので、先生の話は聞かず居眠りをしていた。

「…すけ!亮介!起きろよ!」

葉月が俺の肩を揺らしながら起こす。

「…ん?ごめん。もう朝会終わった?」

と俺が聞くと葉月がイラつきながら、
「あと3分で授業始まるぞ!しかも体育だぞ!!」
とせかす。その声でようやく正気に戻る。

あと3分?しかも体育?ヤバいじゃん!?
しかも体育の先生は、めっちゃ恐い鬼山だしっっ!

俺は急いで学ランから体操服に着替える。
今日は体育があることを知っていたから、学ランの下に体操服を着ていたからすぐに着替えることができた。
葉月はもう着替えていたので俺らはダッシュでグラウンドへ向かう。

「葉月ー!なんでもっと早く起こしてくれなかったんだよ!」
「ごめんっ。ちょっとトイレ行ってたから」

なんてことを言いながら俺らは走り続ける。
教室が2階だから、まだ助かった。
靴箱に着くと上履きを脱ぎ捨てて靴を両手に靴下のままで走る。
よし!あとちょっとだっ!
「着いたーーー!!!」
俺と葉月が声を揃えて叫ぶ。

♪キーンコーンカーンコーン

1時間目開始のチャイムだ。良かったー!ギリギリ間に合った。
そして俺らはゼーハーゼーハー言いながら靴をはく。
鬼山も何か言いたそうな顔をしたが授業には遅刻しなかったので多分許してくれたのだろう。


そんなこんなで、またオーディションのことは忘れていた。