BRAT ANGEL

そして葉月が
「おい、これ何個審査があるんだ?」
と沢井に聞いた。

そうだ。数にビックリしてて忘れてたけど、これって合格すると何になるんだ?
ノリで応募したから全然わかんねぇよ…

すると沢井が
「一次が書類審査で、二次が面接で、三次がカメラテスト、四次が一般投票、最終審査がステージで10分間アピール、だって」と。

「えっ、あと4つ審査があんの?」と驚く俺ら。
それで俺が
「合格したら何になんの?」と聞くと沢井が慌てて
「言ってなかったっけ!?ごめんっっ」
と言って教えてくれた。

「合格したら、全国デビューに向けてレッスン生になるの。
そして社長にユニットを発表され、全国デビューが言い渡されるの!」
とガッツポーズをし、興奮ぎみに言う沢井。

おぉー!!
と言って手を叩く俺とは違って葉月は冷静に
「じゃあ、オーディションに受かっても亮介と一緒に活動できるとは限らないんだ」
とつぶやく。

「でも100%決まった訳じゃねぇんだ!俺らなら絶対合格して一緒にデビューできるって!」
と俺が葉月の背中を叩く。

それを見た沢井がニコッと笑って、
「じゃあ、〇月〇日の9時から××会館で面接があるらしいから」と俺らにいい放つ。

「おい、ちょい待てよ。俺ら××会館ってどこにあるかわかんねぇよ。」
と俺が沢井に言う。すると葉月が
「お前がオーディションの応募したんだからついてこいよ」と言った。

沢井は最初少し嫌な顔をしたが、しぶしぶ腰に手を当て「しょーがないなぁ……。じゃあ…その代わりアイスおごってね♪」と言いニヤッと俺らの方を向く。

葉月が「もしかして高いの頼む気じゃねぇだろうな?」と言い、沢井を見ると
「悪い?じゃ、ついていかないよ?」
と答えたので、俺らはしぶしぶ
「今月マジでピンチだから気遣えよ。」と買いにいくことにした。

沢井は嬉しそうに
「しょーがないなぁ」と言って、どんなアイスにしようか悩んでいた。