ただいま。

どこに?遠いの?


「くるみちゃんが引っ越しちゃうなんて悲しいねー。」

「たまには遊びに来てね!」



皆の温かいはずのコトバは全部、耳を通り抜けて行く。

私は亮ちゃんに、あとで電話するって情けないくらい泣きそうな声で言って。

それだけしかその場じゃ言えなくて。

黙ってブルーシートを畳んで、お母さんと一緒に並んで無言で帰り道を歩いた。


アパートの扉を閉めてからだった。
私がまくし立てるようにお母さんを問い詰めた。



「お母さん、どうして引っ越しのこと黙ってたの?」


「だって、あんたが同様するから…」


違う。多分、そんな理由じゃない。

「どこに行くの?」


「とっても、住みやすい所よ。」

お母さん、どうして大事なことを皆の前で明かしたの?


そんなの、私に嫌って言えなくする為に決まってるじゃん。