ただいま。

「私の、入学式の時のやつ。」


「ふーん。」


亮ちゃんは意外にもあっさりパーカーのポケットに押し込んだ。


こんなもんいらねぇーよ、そう突き返されるとばかり思ってたので正直拍子抜けした。



「あんな、入学式の時のことだけど…」


「はい…」


私はなんだか背筋を伸ばしてしまった。

あの空き巣事件以来、私はなんとなく、家に入るのが怖くて、亮ちゃんちにお母さんが帰ってくるまで居た。

だけど、お互いその事には触れなかった。


部活の話とか、今日あった面白いこととか。
そんな話ばかりしていた。

「ぷっ、なんで敬語なんだよ。」



だから改めてここで触れてくるとは思ってなかった。